27年目 ベテラン職員
森林整備、指導部門統括
地元井川に生まれて
家長制度ってご存じですか?今ではそのような思想(制度)はありませんが、簡単にいうと「長男が家を継ぎ守っていく」という制度です。
高校進学と共に井川を出た私ですが、戻る決心をした理由としては、山仕事の手伝いを通じて祖父・両親・私と繋いでいくのだなと、心に刻まれたからなのだろうと思います。
もちろん理由はそれだけでなく、自分の子供たちを自然豊かな井川で育てたい。「子供たちはいずれ親元を旅立つとしても井川を故郷にしてあげたい。」と思っていたからですね。まあ要するに井川が好きなんです。
仕事内容について
主に森林整備(保育や補助制度)、指導事業を軸に担当してきました。少しくずした表現すると、営業となんでも屋さんといったところです。
始めに森林整備について。
大半の森林整備では行政との関わりが生じます。ただ、先方は林業のプロではありませんから、なかなかイメージしずらいこともあります。そこを林業従事者として、こうすればもっと効果的な整備効果が見込めるなどとアドバイスをする。そういった役割を担ってきました。
指導部門で例を挙げると、生物害防除でしょうか?野生生物による林業被害では、現地の感覚というのも大事になります。そういったことを現場の目線で伝える。そこには、被害に悩んでいる所有者さんなどいる訳で、いろいろな考えの方がいます。それらをまとめて森林組合が代表して伝える。そういった役割も担っていました。
この仕事のやりがい
あえて挙げるならば、達成感でしょうか?
組合で業務に取り組むうえで、とにかくたくさん勉強しました。森林法、河川法、鳥獣保護法等の関連する法律・条例から、野生動物の生息状況調査や自然災害調査や復旧調査などの調査方法まで、幅広い分野のことを勉強をしました。
それらの知識や経験を駆使して、新規に事業を提案する。その結果、作業員の安全を保ちながら作業が終わり、森林(自然環境や野生動物)の保護や管理を行うことができたときの達成感はなんとも言えないものがあります。
大変なこと、苦労したこと
日々進歩・進化する「カタカナや短縮英語、IT関係、機械や技術」「あらゆる多様性への理解」それらに追いつくのが大変でした。
常に自分自身をバージョンアップしていかないと、自分よりも若い世代と対等に話すことができませんから、、、
同じ苦労をされている同年代の方も多いと思いますが、森林法とかの勉強よりも正直、そっちの方が大変でしたね。笑
定年という節目を迎えて
井川森林組合では27年間お世話になりました。よい森林を残すために尽力してくださった行政関係者の方、所有者の方、地域の方、組合の仲間達にお礼をこの場を借りてお礼を申し上げます。
さて仕事が趣味でしたので、さみしい気持ちが30%、新しい何かが始まる楽しみが70%ですかね?今後については、林業に関係のある仕事を続けるか、まったく違った仕事を探すか、若い頃に身に着けた技術を生かすか迷っています。
とりあえず、若いころやりたかったスキューバダイビングや海外旅行にいけたらいいな~と」妻には内緒ですが、密かに思っています。